- 研修医 × 専攻医/上級医 キャリア対談シリーズ Vol.2【循環器内科編】-
「幅広い診療科で経験を積める環境が魅力でした」
司会者: 今回は循環器内科から、研修医Y先生と上級医O先生にお話を伺います。まずは自己紹介をお願いします。
上級医O: 関東労災病院循環器内科の医師12年目の上級医Oです。
研修医Y: 関東労災病院初期研修医2年目の研修医Yです。将来、循環器内科に進むことを決めていて、出身大学の医局に入局する予定です。
司会者: 研修医Y先生が当院を選んだ理由は?
研修医Y: 研修医が主体的に患者さんと関わり、多くの経験を積める環境を探していました。当院は整形外科や内科をはじめ診療科が幅広く充実しているので、研修を通して進路をしっかり考えられると思い選びました。
司会者: 上級医O先生はどこで研修されたんですか?
上級医O: 私は出身大学の大学病院です。
司会者: 大学病院の研修はどうでしたか?
上級医O: 大学の研修も様々な疾患を研修でき充実していました。一方で、プログラムの一環で市中病院の研修も行いました。ターニングポイントとなる先生方と出会い、経験もできました。振り返るとどちらもよい経験ができたと思います。
「飛び込めば得られるものが大きい」
司会者: 二人は最終的に循環器を選ばれました。そのきっかけを教えてください。
上級医O: 私はもともと別の科を志望していましたが、院内急変で循環器の先生が真っ先に駆けつけ、チームをリードする姿に強い憧れを持ちました。自分にとって挑戦となる領域でしたが、だからこそ飛び込もうと決めました。
研修医Y: 私は整形外科と迷っていました。手術も楽しかったのですが、病棟で患者さんを継続して診ることにも強いやりがいを感じていました。循環器は急変対応から慢性期のケアまで幅広く携われるので、自分の理想に合うと思いました。また、中学生の時に父(循環器医)が心筋梗塞で倒れた隣人を助ける姿を目の前で見て、「こんな医師になりたい」と強く感じました。その原点に立ち返り、循環器を選びました。
「熱意はすぐ伝わる」
司会者: お互いの第一印象はどうでしたか?
上級医O: Y先生が当科を2回目にまわる際に担当しました。最初にどのような研修にしていくか話し合った際、「残業は全然大丈夫です」とY先生から言われました。初日から熱すぎるほどの熱意を感じました。
また、宿題を出しても、忙しい中、次の日には持ってきたり、回診に珍しく少し遅れてきた理由がエコーを当てていたからだったり。指導者として、できる限りのことを持ち帰ってもらおう、なんでも呼んでどんどん経験してもらおうというモチベーションになりました。自分が駆け出しの頃を見ているようでとても教えがいがありました。
研修医Y: 私は上級医O先生のエコーを初めて見て「かっこいい先生だな」と思いました。実際に一緒に働いてみて、多くの経験をさせてもらい、進路を考える大きなきっかけになりました。
「任せてもらえるから挑戦できる」
司会者: 循環器内科の研修医はどのような業務内容でしたか?
研修医Y: 朝はカテーテル治療の準備から始まり、受け持ち患者さんの診療や病棟管理を行います。カテーテルの介助やエコー検査にも多く関わることができ、毎日が実践的で充実しています。
上級医O: 循環器内科では基本的に自分の受け持ち患者さんの検査、治療、病棟業務を上級医と同様に現場で動いてもらいます。それに加え、他患者の処置に入ったり、循環器HOTラインの救急対応も上級医と行います。
研修医Y: エコーは特に大きな学びでした。2年目には「自分も循環器に進むかもしれない」と考え、上級医O先生の前に自分でエコー行って所見を考えるようにしました。「一日何件当てたか数えてみよう」とアドバイスをいただき、実際に挑戦してみたら信じられない件数を経験できました。所見を予想して答え合わせする訓練も続け、正解率が上がっていくのが嬉しかったです。
上級医O: エコーの画像を50人分ほど1週間くらいでみてみてと言ったら数日で全部終わらせていてこちらが驚きました。努力が結果につながっていく姿は頼もしかったですね。
「やる気を見せれば、どんどん経験させる文化」
司会者: 上級医O先生が循環器で一番やりがい感じることはなんですか?
上級医O: 救急から慢性心不全の末期の患者さんまで寄り添えることですね。心不全の末期に、どういう形で最期を過ごすかをご本人、ご家族と一緒に考えていく。そこで「家に帰れてよかったです」などお手紙をいただいたりするとき、少しは役に立てたかなと、医者になってよかったと感じます。
司会者: 逆に、これはすごく大変といったことはどのようなことですか?
上級医O: やはり急変があったり、急を要する患者さんが多いので、忙しさはある科です。先が読めない、予定していたことが予定どおりにできない事に慣れるまでは大変でした。
司会者: 関東労災病院の循環器の強みはどんな点でしょうか?
研修医Y: 不整脈・虚血・エコー、それぞれの分野を幅広く経験できるのが大きな魅力です。救急で循環器の患者さんが来たときに、一緒に対応できるのも学びになりました。
上級医O: 虚血、不整脈、エコー分野と各分野を専門とする医師がそろっています。中堅が活躍し風通しがよく、トップの先生が見守ってくれる中で若手の意見が形になるチームであることは当院循環器内科の大きな魅力だと感じています。また、大学との距離も近く、フィードバックをもらいやすい環境です。研修医の先生にはどんどん経験させる文化もあります。
「幅広く学びつつ、自分の専門性を磨いていけるのが循環器の魅力」
司会者: 研修医Y先生は専攻医から大学に戻られる予定だそうですね。
研修医Y: はい。見学した際に若手や女性の先生も多く、安心してキャリアを積めると感じたので大学に戻ることを決めました。まずは大学で内科専門医の取得をめざし、半年から1年でJ-OSLERの症例を集めます。当院で経験した症例も持っていきます。その後に循環器の各チームをローテーションし、その後、もう一年で市中病院で幅広い経験を積む予定です。大学院も学生時代から興味があるので考えています。
司会者: 上級医O先生の循環器内科医としての働き方や今後の展望について教えてください。
上級医O: 循環器は救急から慢性期、ターミナルケアまで幅広く患者さんに関われます。予定通りに進まないことも多いですが、その分やりがいがあります。私はこれまで幅広く携わってきましたが、今後はエコーを軸に専門性を深めたいと考えています。資格取得や後進への指導を通じて、チームに貢献していきたいです。
「メリハリのある生活ができます」
司会者: 関東労災病院の研修医生活はいかがですか?
研修医Y: とてもメリハリがあります。業務がすごく遅くまであるわけではなく、自分の時間で勉強したいことを、その日のうちにしっかりとできます。休日は、時々日当直が入るくらいなので基本お休みです。土日お休みだったら一泊2日とかで旅行に行ったりもできます。先日も同期6人で富士山に登りました。
「家庭と仕事の両方を大切にしながら続けられる環境」
司会者: 上級医O先生はご家庭を持ちながら循環器を続けています。どのように両立されていますか?
上級医O: 子供が2人いて、夫もフルタイム勤務です。当直やオンコールは免除していただいており、家庭と仕事のバランスが取れています。18時に業務を終えて、保育終了時間の滑り込みで保育園へ迎えに行くのを目標にしています。
育児をしながらの働き方は人それぞれ考え方があると思います。私個人としては、自分・家族の人生の中での仕事であり、仕事を極めるために家庭のバランスを崩すことはできないという考えが根本にあり今の働き方をしています。これができているのは、一緒に働く他の医師に本当に支えてもらっているからです。私も後輩の医師たちがライフイベントを迎える時に、サポートできる側にまわれるようになっていこうと思います。
「すべての経験は将来につながる。まずは“どの科でもなりきって学ぶ”ことが大事」
司会者: 循環器内科に進むにあたり、研修医Y先生から上級医O先生に質問はありますか?
研修医Y:上級医O先生から治療や検査だけでなく、看護師さんとの関わり方や患者さんへの説明の仕方まで、多くを学ばせていただきました。循環器でもそれ以外でも、上級医O先生が「もっと教えてあげたい」と思うのはどんな医師ですか?
上級医O: 大切なのは「まわっている科に本気で向き合う姿勢」です。私は研修医の時、どの科でも「全部楽しくて悩んでいます」と指導医に伝え、自分も本当にこの科になるかもと思いながら研修に臨みました。先生方にも熱意が伝わり多くの経験をさせてもらえたと思っています。結果、本当にどの科も楽しくて科を決める時は悩みました(笑)
研修の間は進路を固定せず、幅広く学ぶことで自分の視野が広がると思います。循環器でいうと、心臓カテーテルも、エコーも患者さんの全体を診るための1つの武器であり偏らず幅広く学ぶことで総合的に患者さんを診れる判断ができるようになると思います。
「実際に働くことをもう少しイメージしてみて」
司会者: 臨床研修病院を選ぶときに大事にした方がよいことは?
研修医Y: 研修医に、どんなことをどこまでやるのか、業務のことも含めて具体的に聞いてみたら、解像度が上がるんじゃないかと思います。やらせてもらえるとなるとやっぱり勉強にも身が入りますし、その積み重ねが知らないあいだに他の人と差がつくところになるのかもしれないと考えています。実際にその病院で働くことをイメージすることが大事だなと研修医になってから思いました。
上級医O: 病院見学の際は、指導体制やフィードバックの仕組み、そして普段の医師同士の会話や空気感にアンテナを張って見学してみると面白いと思います。年齢層にも注目すると良いです。特に中堅の医師が多い病院は、自分もやりたいけれど後輩に経験を譲ろうとする姿勢があり、研修医にとって学びやすい環境だと思います。
「頼れる仲間に出会える」
司会者: 関東労災病院の初期臨床研修の魅力は?
研修医Y: 「やらせてもらえる環境」です。検査や処置で「やってみよう」と声をかけてもらえることで、挑戦する気持ちが自然と生まれます。手を動かして学ぶ経験は本当に大きく、研修医としての自信につながりました。そして、どの科にも熱心な先生がいて、幅広い症例に触れられるのも魅力です。救急の現場にも積極的に関われるので、急変対応の力も自然と鍛えられます。
そして何より一番は、かけがえのない同期と出会えたことです。出身大学が全くバラバラの12人が、二年間一緒に過ごす中でどんどん親しくなっていって、3年目以降病院が変わってもずっと頼れる仲間になりました。12人はちょうどよい人数で、これからも自分が困ったときに頼れる心強い仲間に出会えて良かったです。
上級医O: オンオフをしっかり切り替えられている印象です。業務中は集中して、業務時間外はフリータイムがとれているのではないかと思います。その時間を自己研鑽に使うもよし、プライベートな楽しみに使うもよしで、健康的にバランスよく研修ができているのではないかと感じています。
司会者: 最後に、医学生に向けてのメッセージをお願いします。
研修医Y: 私は自分の進路があまり決まっていない中で入職したのですが、進路も決まり、上級医O先生というロールモデルになる先生に出会えて本当によかったです。各診療科にそういった先生がいらっしゃるがこの病院の大きな魅力です。この病院で研修したらきっと、自分の進みたい道や、それをより具体的にしてくれる先生にも出会えると思います。
上級医O: 当院の研修医の先生は生き生きと仕事をしていると感じます。それはやはり充実した研修をしつつきちんと休みも確保できる環境であるからだと思います。
当院では、当直業務を含め、救急対応も十分に経験ができます。また各診療科に指導熱心な先生がたくさんおり研修が充実したものになると思います。ぜひ一緒に働きましょう!
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