生活習慣病3: 高血圧
生活習慣病の代表高血圧。そもそも高血圧ってなんなのでしょうか?
血圧とは血液が血管を押す圧力のことです。心臓が収縮して血液を全身に送る時の圧力が収縮期血圧(最高血圧)、心臓が拡張して血液を全身から引き込む時の圧力が拡張期血圧(最低血圧)です。その圧力が一定以上に高い状態を高血圧といいます。
高血圧には二種類あり、10%はホルモンの病気や腎臓病が原因となって高血圧となる二次性高血圧です。こちらは原因となる病気が治れば血圧は下がります。残り90%は本態性高血圧と呼ばれる原因不明の高血圧です。
ではなぜ高血圧はいけないのでしょうか。血管に長い間高い圧力で血液がぶつかり続けると血管が傷つきやすく破れたり詰まりやすくなります。脳や心臓の血管でこれらが起こると脳卒中や心臓病の原因になります。それではいくつ以上が高血圧なのでしょう。長らく血圧の正常値は1978年にWHOが定めた基準、収縮期血圧が140mmHg以下で、かつ拡張期血圧が90以下とされていました。
しかし最近は日本高血圧学会が定めた高血圧治療ガイドラインという細かい基準が多く使われています。
2004年の基準は正常血圧130/85mmHg以下と厳しくなっており、高血圧の治療目標は若年・中年は正常血圧まで。高齢者でも140/90mmHg以下、糖尿病や腎障害がある方は130/80mmHg以下となっています。 それだけ高血圧が様々な悪さをすることがわかってきたということです。
自覚症のない高血圧は知らないうちに体を蝕んでいくのです。高血圧になったらまず生活習慣の修正を行います。一日6g以下の食塩制限や野菜果物の積極的摂取・適正体重の維持・運動療法・アルコール制限・禁煙などです。
他に病気がない方は3ヶ月ほど様子を見ますが、糖尿病や肥満などの危険因子がある方は直ちに薬による治療を行います。ただしこれらはあくまで治療指針であって、その人の生活習慣や体質によって適切な治療法をお医者さんに選んでもらうことが大切です。いわゆる生活習慣病と呼ばれている高血圧・高脂血症・糖尿病はその名のとおり生活習慣が大きな原因です。
まずは生活習慣を見直すことから始めましょう。
こちらの特集は神奈川新聞に掲載された『大丈夫ですか?心と体』を当院ホームページ用に再構成したものです
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