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健康コラム

足の裏のホクロ

足の裏のホクロ

関東労災病院 皮膚科医師より 
テレビの医療・健康番組で取り上げられる足の裏のホクロ。皮膚癌の一種「悪性黒色腫」が隠れているとのテーマが多く、慌てて自分の足を見れば、いつの間にか黒いホクロがあった。番組を見た視聴者が心配して皮膚科を受診するケースも見られますが、ほとんどは良性の「母斑細胞」(あざやホクロ)です。しかし、ごくまれに最も転移しやすい悪性黒色腫が見つかることもあります。また、日本人は欧米人に比べ、足の裏に悪性黒色腫が発生する頻度が高いことも知られています。

 ではどのようなホクロが悪性黒色腫の疑いがあるのでしょうか。

英語の頭文字をとってホクロの「ABCD基準」というものがあります。これは、肉眼的にAsymmetry(非対称性で)、Boundary(境界が不明瞭)、Color(色調の濃淡があり)、Diameter(直径が7ミリ以上)- が悪性黒色腫の早期病変の可能性が高いとされています。足の裏にホクロを発見した場合、まず虫眼鏡などでよく観察してください。このABCD基準のどれかに当てはまり、心配な場合には皮膚科を受診してください。
足の裏のホクロ

近年、「デルマトスコープ」という皮膚の下の色素沈着を外から診断できる特殊な顕微鏡も開発されました。これを使ってホクロの色素沈着パターンを見ることで飛躍的に診断精度が上がっています。万が一、悪性黒色腫であった場合は、放置しておくと数年後には命を失うなど大変なことになります。
直径が大きく、デルマトスコープで見ても判断に苦しむようなものは、念のため短期入院して早めに切除し、病理学的に最終診断をつけておいた方が無難です。
また、「経過観察でいい」と言われた場合でも、ホクロの形が崩れ、色が白っぽくなり、表面から出血している場合は専門医を受診してください。

最後になりますが、足の裏にホクロはよくできます。しかし、悪性黒色腫の率は一万分の一ぐらいです。パニックにならず冷静にホクロを観察してください。

関東労災病院 皮膚科


※こちらの特集は、神奈川新聞に掲載された『大丈夫ですか?心と体』を当院ホームページ用に再構成したものです

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