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健康コラム

生活習慣病4: 糖尿病

最近、テレビや新聞で糖尿病に関連した番組や記事を多く目にするようになりました。
「糖尿病に効く…」といううたい文句の健康食品も数多くみられます。これは、糖尿病の患者数が非常に多いことのあらわれといえます。平成14年の厚生労働省の発表では、わが国の糖尿病患者数は約740万人、予備軍(境界型)約880万人。20歳以上の6.3人に1人が糖尿病もしくは境界型で、しかもその数は増え続けているのです。

糖尿病とは、慢性的に血糖値の高い状態で、おもに1型と2型に分類されます。1型糖尿病は、膵臓のβ細胞の破壊によりインスリン(血糖を下げる唯一のホルモン)が欠乏するために発症し、インスリン注射が不可欠ですが、生活習慣とは直接関係がありません。日本人の糖尿病の90~95%は2型糖尿病で、インスリン分泌が低下しやすい体質に、過食、運動不足、肥満、ストレスなどインスリン作用を悪化させる生活習慣が加わって発症します。そのため、糖尿病の予防や血糖値の改善にはまず生活習慣の見直し、つまり過食や脂肪、アルコールの過剰摂取を避け、運動をして、肥満を解消することが重要なのです。

しかし、糖尿病と診断されても自覚症状のない方がほとんどです。それなのに、なぜ食事療法や運動療法をしなくてはならないのかと思われる方も少なくないでしょう。これが糖尿病治療の難しいところです。たとえ症状がなくても、高血糖状態が長い期間続くと、網膜症、腎症、神経障害などの合併症が発症し、進行すると生活が著しく障害されます。年間約4000人の方が糖尿病網膜症によって高度の視力障害となり、約14,000人が透析療法を開始しています。また、心筋梗塞、脳梗塞も起こしやすくなりますし、動脈硬化は境界型でもハイリスクです。合併症も、最初は症状がありません。気づかない間にジワジワと合併症が進んでしまう、これが糖尿病の怖いところです。

境界型から糖尿病に進むのを予防する一番有効な方法は、生活習慣の改善です。さらに糖尿病であっても血糖値を良好にコントロールできれば、合併症をおこさずに健やかな生活を送ることができます。空腹時血糖110mg/dl未満、ヘモグロビンA1c6.5%未満に維持できれば合併症はほとんど見られないとされています。ただ、さまざまな誘惑、欲求をコントロールしながら生活習慣を改善し、良好な血糖状態を維持していくのは容易いことではありません。まず糖尿病について正しく理解し、ご自身の糖尿病の状態をよく知ることが重要です。
 当院では、糖尿病との付き合い方、治療の必要性や効果もあわせて理解していただくために、糖尿病学習入院をおこなっております。なかなか血糖値が下がらない方、体重が減らない方、今までの生活を見直してみる必要があるかもしれません。


こちらの特集は神奈川新聞に掲載された『大丈夫ですか?心と体』を当院ホームページ用に再構成したものです

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