関東労災病院 病院の話「女性外来は、なぜ開設されるようになったのでしょうか? -「性差医療」をご存知ですか?-」

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健康コラム

女性外来は、なぜ開設されるようになったのでしょうか? -「性差医療」をご存知ですか?-

「性差医療」というものを、ご存知でしょうか?

前回、女性外来のおおよそのことについて、紹介しました。平成13年(2001年)5月に鹿児島大学第1内科で女性外来が開設されて以来、全国に続々と「女性外来」が開設されるようになったのですが、今回は、「そもそもどうして『女性外来』が必要であると考えられたのか?」について、ご紹介します。

医療分野においては、それぞれの薬剤の治療効果があるかどうかの検討を充分に行った上で、実際の治療に使われるようになりますが、女性は妊娠の可能性があるため、従来、治療効果の検討の対象から外されていました。また、検査に対しての、『正常値』あるいは『基準値』といったものについても、「女性は女性ホルモンの変動があるため、一定の基準を求めるのが難しい」といった理由により、『正常値』などの研究の際にも、研究対象から外され、結局男性のみを対象に行った研究データを基に、「女性は男性と同じ」という見込みのままに、医療が行われていました。

男性のデータのみにより、女性をそれにあてはめて医療を行うのはおかしい、女性は男性とは違うのだ、ということが、アメリカで警告・提唱され、性差の違いを明確にした上で、しっかりした研究データに基づく医療が必要である、ということが『性差医療』という考え方です。アメリカでは、このような動きは、1980年代後半に始まっていましたが、わが国での取り組みは10年余りも遅れました。

特に性差の違いに、女性医師自身が気づき、積極的に取り組むことが必要である、ということから、女性医師の担当が好ましいという判断もあり、わが国では女性医師が担当する形態での取り組みで始められました。それが、「女性外来」という診療の形態になりました。

女性のみに限らず、男性も男性ならではの医療を行うべきだ、という考えも必要であり、「更年期」は女性だけに限ったものではない、ということから「男性更年期」についての研究・医療が積極的に検討されるようになったのも、『性差医療』の考え方が提唱された結果と言えます。


こちらの特集は神奈川新聞に掲載された『大丈夫ですか?心と体』を当院ホームページ用に再構成したものです。

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