顎関節脱臼(がくかんせつだっきゅう)は、下顎の関節が本来の位置から外れてしまい、口を閉じることができなくなってしまった状態です。大きなあくび、食事や歯科治療中での大開口で誘発されることがあります。
口が閉じられない状態を想像してみて下さい。
唾液を飲み込むことができず、よだれが垂れて、発音や食事をすることができません。見た目も下顎が前に突き出て顔が歪み、痛みを伴うことが多くあります。
特に高齢者の顎関節は、ゆるみや筋力低下により、日常のちょっとした動作(あくび、食事、会話など)で繰り返し起こる「習慣性顎関節脱臼(しゅうかんせいがくかんせつだっきゅう)」に移行しやすい状態です。
繰り返す顎関節脱臼は、生活の質を大きく下げるだけではなく、摂食や嚥下障害を起こし,また肺炎などを併発して命に関わることも考えられます。
さらに高齢者や認知症の方は、脱臼した状態に気づかず放置され、顎関節周囲の組織が変性し治療自体が難しくなることがあります。超高齢化社会に伴い、今後このような患者さんの増加が社会問題として取り上げられています。
顎関節脱臼の整復は、一般的に徒手的整復が第一選択で、整復後は再発防止のために顎を専用のバンドで一定期間固定します。繰り返す場合には、自己血注入療法や外科的に関節の結節を削除し、脱臼してもスムーズに戻るようにする手術なども行っています。この手術は全身麻酔下で行いますが、術後は数日で退院可能なケースもあります。
一般的に整復は歯科医院や総合病院の救急外来でも行われますが、整復が難しい場合や、習慣性顎関節脱臼などで外科的な治療が求められる状況では、口腔外科が専門的な治療を行っております。手術の内容や流れもご案内できますので、是非ともご相談下さい。
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