歯科口腔外科

当院の歯科口腔外科は地域の皆さまに頼りにされる口腔外科を目指して医療に貢献しています。当科は、日本口腔外科学会指導・専門医、日本口腔腫瘍学会暫定指導医等多くの資格を有しており、日本口腔外科学会認定研修施設、口腔腫瘍学会口腔がん専門医制度指定研修施設に認定されています。また、研修医を毎年受け入れてその育成にも力を入れています。

初診患者さんの受付は8:15~11:00です。紹介状がなくても受診できますが、その場合は特定療養費として初診費用とは別に7,700円(税込)をお支払いいただく必要がありますので、紹介状のご持参をお勧めします。

医療関係者の方へ

緊急を要する患者さんについては、午後8時までは医師が院内待機しておりますのでご連絡ください。午後8時以降及び、土日祝日は呼び出し体制。全身麻酔手術は火曜日、緊急手術は随時、外来手術は毎日行っております。

悪性腫瘍(口腔顎顔面悪性腫瘍・舌癌・歯肉癌・口底癌・頬粘膜癌など)

近年の治療法の進歩により、治療法の選択肢が増え、患者さんの全身状態・転移の有無を精査し、要望を伺い、治療法を提案させて頂いています。手術、放射線、化学療法(分子標的薬)、免疫療法の組み合わせにより、従来治療不可能だった症例についても良好な治療効果が得られています。

また、入院中のがんリハビリにも力を入れています。腫瘍消失後の顎骨の再建・インプラント治療によるオーラル・リハビリテーションも積極的に取り入れています。癌は早期発見・早期治療が重要なため、できるだけ早期の受診をお勧めします。

顎顔面外傷(顎骨骨折・頬骨骨折・歯槽骨骨折・歯の脱臼など)

当院における救急診療の充実と共に、外傷による顎骨骨折についても増加傾向にあり、顔面多発骨折・顎骨骨折など全身麻酔下でのプレートを使った観血的整復固定術を行います。不完全骨折例では顎間固定などによる保存的治療を選ぶこともあります。歯については脱臼・脱落していても再植できることが多いので、できるだけ短時間の内に持参してください。

炎症(蜂巣炎・顎炎・歯性上顎洞炎・骨髄炎など)

主に歯が原因で顎骨や粘膜をはじめとする顔面顎部周囲に感染が拡がって腫れている状態です。原則として膿瘍形成のあるものは消炎手術を行い、抗菌薬による消炎を図ります。消炎後、原因歯の抜歯・原因の除去を行います。炎症が広範囲に及ぶ時には点滴・入院緊急手術が必要なことがあります。

埋伏歯・良性腫瘍・のう胞

一般にいずれも局所麻酔下での処置になりますが、困難な場合・大きい場合・危険を伴う場合などは入院し、静脈内鎮静法または全身麻酔で手術することもあります。

唾液腺の中の唾石･唾液腺腫瘍の時には、唾液腺自体を摘出することもありますが、唾石･腫瘍だけを摘出することも多いです。皮膚に傷が及ぶ時にはできるだけ目立たず、美しい創痕になるように心がけています。

顎関節症

筋マッサージ、スプリント療法を行ない、症状により関節洗浄を行ないます。顎関節強直症、顎関節脱臼などの場合には手術も適応になります。

歯の欠損(口腔インプラント)

インプラントについてはSimplant SoftによるCT撮影後の画像解析を診療所の先生方との病診連携の一環として提供しています。当科では必要に応じてガイドサージェリーを用いた安全なインプラント手術を行なっています。

粘膜疾患・前癌病変

口の中の粘膜の白い病変、赤くただれた病変は前癌病変の可能性がありますので、早期の診断、治療をお勧めします。

口腔がん、顎骨骨折、顎関節症、埋伏歯、前癌病変、インプラントなどの口腔外科疾患の治療を行っています。川崎市中部、北部、横浜市北部の病院、診療所から紹介されて来院される患者さんが多く、この地域の口腔外科診療の中核的役割を担うと同時に、労働災害についても認定業務を行っています。特に口腔癌については、手術はもちろんですが、化学・放射線療法、薬物療法(分子標的薬、がん免疫療法)も増加しています。早期癌については高い治療成績が得られており、末期癌については患者さんのQOL(生活の質)の向上・ 維持を目指し、疼痛のコントロールを中心とした集学的治療を行っています。また、周術期に口腔管理センターを立ち上げ院内の患者の周術期口腔機能管理を地域連携の下に積極的に行なっています。患者さんに安心して治療を受けていただけるよう、また、研修施設の責任を果たすべく精進してまいります。

・初診患者数：6,243名

・紹介患者数：4,943名

診療ガイドライン(PDF)