当科では、特に観血的手技・治療に注力しており、日本心血管カテーテル治療学会認定専門医を取得した指導医のもとに冠動脈に対する経皮的冠動脈形成術を施行しています。 冠動脈形成術は、動脈硬化病変をバルーン(風船)で拡張する、あるいは動脈硬化を抑制する薬剤が塗布されたステント(金属のトンネル)を留置して狭窄を解除します。特殊な治療として動脈硬化が強く、石灰化のある病変ではロータブレーターという先端に小さなダイヤモンドの粒を装着した丸い金属を高速に回転させることで、血管内腔を確保します。また、同じく石灰化の強い病変に対して、ダイアモンドバック、衝撃波血管内砕石術という最新治療も行っています。
急性心筋梗塞や不安定狭心症、急性心不全など緊急を要する疾患に対しては、川崎CCUネットワークの中心病院として24時間体制で対応しており、夜間や休日でも速やかに緊急の冠動脈造影、経皮的冠動脈形成術を行える体制を整えております。
不整脈疾患に対する経皮的心筋焼灼術にも力を入れており、特に心房細動に対し、通常の高周波カテーテルを使用する治療だけでなく、冷却バルーンを使用する治療を積極的に行い、時間の短縮、安全性および術中の疼痛軽減に配慮しています。また、新たに2023年3月から左心耳閉鎖術も開始しました。さらに2024年4月からは植え込み型除細動器、両心室ペーシング機能付き植え込み型除細動器の植え込みも可能となりました。
心臓血管外科とも合同カンファレンスを通し、連携を行い、患者さんにとってより良い治療を選択できるように努めています。
さらに、当院では心筋梗塞、心不全の患者さんや、経皮的冠動脈形成術目的で入院された患者さんに対し、予後改善効果にエビデンスを有する心大血管疾患リハビリテーションを早期から積極的に行っております。