脊椎外科では頚椎から胸椎、腰椎、仙椎、骨盤まですべての脊椎・脊髄疾患に対応しており、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、骨粗鬆症性脊椎骨折といった一般的で比較的頻度の高い疾患から、高度な技術を必要とする成人脊柱変形(後弯、側弯、後側弯症)や脊髄腫瘍、後縦靭帯骨化症などの難治性疾患にも積極的に取り組んでおり、多くの手術の必要な患者さんや治療に難渋している患者さんを、他の医療機関から紹介していただいています。
2名の部長、2名の副部長を中心に7名以上の専門的知識と治療技術をもった脊椎・脊髄疾患の専門医師が、高度なレベルの医療を提供しています。
外来では、手術療法のみを選択肢とはせず、患者さんの重症度や経過、日常生活状況などを考慮し、投薬、ブロック療法などの保存的治療を行っています。また、より高度で特殊な専門的治療が必要な場合には、適切な施設を紹介しています。
脊椎外科の病床は、スポーツ整形外科を除く他の整形外科(関節・外傷、手の外科)と共同して3病棟を使用しており、脊椎・脊髄疾患の手術件数は年間400件以上を手掛けています。手術の際には、安全性向上のため、また、難易度の高い脊椎手術をより安全に行えるように、脊髄誘発電位を用いての脊髄モニタリングや術中ナビゲーションあるいは術中超音波、手術用顕微鏡、内視鏡などを取り入れ、安全かつ低侵襲な手術を心がけています。
また先進の医療技術も積極的に導入し、腰椎椎間板ヘルニアに対する椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア注入)、脊椎圧迫骨折に対する経皮的椎体形成術(BKP)、低侵襲の経皮的椎弓根スクリューを使用した固定術や腰椎前(側)方椎体間固定術なども実施しています。
地域の中核病院として、救急医療や地域の病診連携の分野にも重点を置いています。特に地域の開業医の先生方を交えたカンファランスを定期的に行っており、紹介していただいた患者さんのその後の報告や、持ち寄っていただいた症例の検討を行っています。
・患者さんに病状と治療方針の十分な説明を行い、同意を得てから治療を行うように努めています。
・脊椎変性疾患は、外来では投薬、ブロック療法による保存治療が中心となりますが、徹底した保存療法を行い、痛みや歩行障害が顕著なもの、症状の進行を認めた場合には、早期に手術治療を検討しています。
・外来での手術の要否を含めた治療方針、および入院手術治療の際には、患者さんの症状と画像検査の結果を、毎週のカンファランスにて医師全員で話し合って治療方針を決定しています。
・また、脊椎・脊髄疾患では麻痺を伴うことが多く、回復には長期を要する場合もあります。術後のアフターケア(リハビリテーションや退院後の生活指導等)の何れもが不可欠であり、担当医師や看護師、理学療法士、薬剤師、ケースワーカー等と毎週のカンファランスで退院に向けて、また退院後の治療方針を決定しています。
・脊椎外科は2名の部長、2名の副部長を軸に7名の脊椎・脊髄疾患の専門医師、他に研修医も含めて診療を行っています。
・外来診療は毎日複数の医師が担当し、手術治療は火曜日を除く毎日行っています。
院内では他の整形外科、リハビリテーション科など関連する科や内科、外科など他科と緊密に連携して診療しています。
・近隣の診療所、病院など地域の医療機関と連携をとりながら診療を行っています。
・救急診療に関しては他の整形外科(関節・外傷、手の外科、スポーツ整形外科)と協力して診療を行っています。
一般的な変性疾患として頸椎では頚椎症性脊髄症・頚椎症性神経根症・頚椎椎間板ヘルニア・頚椎症性筋萎縮症など、胸椎では胸椎椎間板ヘルニア・胸椎症性脊髄症・狭窄症など、腰椎では腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症(すべり症、分離すべり症を含む)など。
・縦靭帯骨化症として頸椎・胸椎・腰椎の後縦靭帯・黄色靱帯骨化症
・脊柱変形疾患として成人脊柱変形(変性側弯症や変性後弯症)・思春期特発性側弯症
・骨粗鬆症およびそれに伴う椎体骨折(脊椎圧迫骨折)
・化膿性脊椎炎・硬膜外膿瘍などの感染性疾患
・脊髄腫瘍、原発性、転移性脊椎腫瘍などの腫瘍性疾患
・脊椎の骨折や脱臼などの外傷性疾患
検査機器としてはMRI、CT(3D)スキャン、骨密度測定装置(DXA)など、手術支援機器として2方向イメージインテンシファイアー、脊髄誘発電位を用いての脊髄モニタリング装置や術中ナビゲーションシステム、術中超音波装置、高性能手術用顕微鏡、鏡視下手術機器などを備えています。
診療実績 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | |
---|---|---|---|---|
脊髄・脊椎手術件数 | 447 | 369 | 465 | |
手術内容 | ||||
頭蓋頚椎移行部 | 除圧 | 0 | 0 | 0 |
固定 | 2 | 0 | 0 | |
頚椎前方 | 除圧 | 0 | 0 | 0 |
固定 | 6 | 6 | 4 | |
頚椎後方 | 除圧 | 33 | 57 | 43 |
固定 | 19 | 12 | 11 | |
胸椎前方 | 除圧 | 0 | 0 | 0 |
固定 | 0 | 0 | 0 | |
胸椎後方 | 除圧 | 2 | 3 | 2 |
固定 | 12 | 9 | 24 | |
腰仙椎前方 | 除圧 | 0 | 0 | 0 |
固定 | 8 | 10 | 5 | |
腰仙椎後方 | 除圧 (そのうち内視鏡手術) |
183 (29) |
101 (24) |
181 (65) |
固定 | 130 | 123 | 144 | |
脊髄腫瘍摘出 | 髄外・硬膜外 | 3 | 5 | 5 |
髄内 | 0 | 0 | 0 | |
側彎症手術 | 4 | 5 | 1 | |
その他(経皮的椎体形成、抜釘、洗浄など) | 45 | 38 | 45 |
副院長(部長)
東川 晶郎
ひがしかわ あきろう
専門分野 | 脊椎脊髄外科 |
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資格 | 日本整形外科学会 専門医・ 認定脊椎脊髄病医 日本脊椎脊髄病学会 指導医 臨床研修指導医 ICLSコース修了 |
部長
渡邉 健一
わたなべ けんいち
専門分野 | 脊椎脊髄外科 |
---|---|
資格 | 臨床研修指導医 |
副部長
安部 博昭
あべ ひろあき
専門分野 | 脊椎脊髄外科 |
---|---|
資格 | 日本整形外科学会 専門医・ リウマチ医・認定脊椎脊髄病医 日本脊椎脊髄病学会 指導医 日本救急医学会 救急科専門医 日本スポーツ協会 公認スポーツドクター 認定産業医(日本医師会) 臨床研修指導医 ACLSコース修了 |
副部長
唐司 寿一
とうのす じゅいち
専門分野 | 脊椎脊髄外科 |
---|---|
資格 | 日本整形外科学会 認定脊椎脊髄病医・専門医 日本脊椎脊髄病学会 指導医 臨床研修指導医 |
山口 泰輝
やまぐち やすてる
専門分野 | 整形外科一般 |
---|---|
資格 |
小口 史彦
おぐち ふみひこ
専門分野 | 脊椎脊髄外科 |
---|---|
資格 | 日本整形外科学会 整形外科専門医・脊椎脊髄病医 ACLSコース修了 |
砂山 智未
すなやま ともみ
専門分野 | 脊椎脊髄外科 |
---|---|
資格 | 日本整形外科学会 専門医 |
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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新患・再診 | 安部 | 渡邉 | 渡邉 | 安部 | 東川 |
山口 (第1,3,5) |
東川 | 唐司 | 小口 | 唐司 | |
小口 (第2,4) |
砂山 | 山口 |
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