女性外来には、どのようなものがあるのでしょうか? -さまざまなタイプの「女性外来」-
「女性外来」には、さまざまな取り組みがあります。今回は、どのような「女性外来」があるか、紹介します。
そもそも「性差医療」の視点から取り組み始めた大学病院では、学問的な立場での研究や、医学生の教育も含め、わが国の医療の発展のために貢献すべく、模索をしています。また、千葉県を始めとして、行政の立場から取り組み始めた地域の総合病院では、地域住民の方々にいかに貢献するか、という立場で診療をしています。当院のような労災病院グループでは、勤労者に貢献することを病院の方針としていますので、「働く女性のための外来」を運営しています。
費用としては、保険診療で対応している病院が多いようですが、自由診療(保険外の診療)で対処している医療機関もあります。「初診のみ、自由診療」というような医療機関もあるようです。
診療内容も、検査・治療・その後の継続的な診療も含めて行っている医療機関もありますが、「1回だけ」と限定し、カウンセリングに重点を置いたものもあります。また、人間ドックとして、女性ならではの病気の早期発見・予防に力を入れているものもあります。あるいは、会員制で健康情報を定期的に受け取れるようなシステムをとっているようなところもあります。
担当する科は、内科関係が多いようですが、婦人科、泌尿器科、外科などの医師が担当しているところもあります。また、1つの科で運営しているところと、複数の科で担当しているところがあります。いずれにしても、心療内科、精神科なども含めて、担当する科以外の科との連携がスムーズにいくように工夫している施設が多いようです。
担当医師が男性である施設もあり、男性医師も性差医療の視点に立った取り組みを模索している様子が伺えます。いずれにせよ、さまざまな取り組みが行われているのは、それぞれの医療機関で、「どうしたら、女性の患者さんのニーズに応えられるか?」を模索しているからこそのことであると言えるでしょう。それぞれの患者さんのニーズに合った女性外来をみつけて利用していただくと共に、女性の皆様のサイドからどんな医療が必要か、うまくフィードバックしてもらうことで、更により良い女性医療が実現していくものと考えられます。
こちらの特集は神奈川新聞に掲載された『大丈夫ですか?心と体』を当院ホームページ用に再構成したものです。
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