風邪とはウイルスや細菌が鼻、のどに感染し、『発熱』『鼻水』『食欲不振』など全身症状を伴う病気のことです。
「風邪をひいたので抗生剤を飲ませたいのですが…」という心配顔のお母さんがたびたび来院します。しかし、風邪は80~90%がウイルス感染によって起こり、『抗生剤』はウイルスには効きません。特効薬はないため解熱剤、鼻水止め、せき止めなどの薬で症状を和らげる対症療法くらいです。
ウイルスを倒すのはお子さん自身の免疫の働き具合にかかっています。一番の治療は栄養満点の食事をとり、安静にして体力を回復し、自分の免疫の働きを高めることです。
昔から『風邪は万病のもと』といわれ、「風邪だからそのうち治るだろう」と油断していると痛い目に遭うこともあります。
例えば、風邪をこじらせて免疫が働きにくくなると肺炎球菌などに感染し、中耳炎、肺炎、髄膜炎などを起こすこともあります。このため、特に大人より免疫が弱い乳幼児は注意が必要なのです。
また、白血病などは微熱など、風邪に似た症状から始まることもあります。風邪がなかなか治らない場合、きちんと病院を受診しましょう。
現在の治療は、薬を最小限に減らし、お子さんの自然治癒力を整えることに主眼が置かれています。しかし、私たち医師も以前は「熱が出たら抗生剤」と決まったように処方していました。
しかし、抗生剤は細菌をやっつけはしますが感染予防には効果がないことが医学上のデータで分かってきたのです。それどころか抗生剤をむやみに使うと、抗生剤に強い耐性菌を出現させるため、世界中で問題になっています。また、抗生剤を使いすぎると体調を整えてくれる常在菌を殺してしまうので、悪い菌が繁殖しやすくなり、逆に体の調子が崩れてしまいます。
安易な抗生剤の使用は大切なお子さんを守るどころかかえって悪い影響を及ぼすことがあります。医師と相談の上、必要な場合に使うようにしましょう。

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